「ホームページを作ったのに新規患者が増えない」「SNSを更新しているが、来院につながっているか分からない」。こうした状況では、施策を追加する前に、患者が自院を知ってから受診するまでの流れを確認してみましょう。
集患は、閲覧数やフォロワー数だけで評価するものではありません。患者が必要な情報を得て、自院で受診できるかを判断し、予約・来院に進めるかまで見ることが大切です。
この記事では、クリニック院長に向けて、集患が伸びないときの確認ポイントと改善の進め方を整理します。診療科や地域によって患者の行動は異なるため、自院の状況を確かめながら使ってください。
1.「認知・比較・予約・来院」のどこに課題があるかを分ける
まず、患者の行動を次の4段階に分けます。
- 自院の存在を知る
- 診療内容や通いやすさを確認し、受診先として比較する
- Webや電話で予約する、または受診方法を確認する
- 実際に来院する
例えば、自院を知られていない場合と、HPは見られているのに予約されない場合では、見直す対象が変わります。予約は入っているが来院に結び付かない場合は、受診案内や変更手続きなどの点検が必要です。
アクセス数だけで結論を出さず、把握できる範囲で「どこから来たか」「どの情報を見たか」「予約・来院したか」を分けて整理します。計測できない部分は不明のまま残し、閲覧数を患者数とみなさないようにしましょう。
2.診療内容が、患者の判断に必要な形で伝わっているか
院長にとって当たり前の診療内容でも、初めて受診する患者には分からないことがあります。
HPを確認するときは、医療機関側の説明が揃っているかだけでなく、患者が次の疑問を解消できるかを見ます。
- どのような症状や相談に対応しているか
- どの診療科を受診すればよいか
- 初診の予約は必要か、当日の受診は可能か
- 診療日・診療時間・休診日はいつか
- 受診時に何を持参すればよいか
- 所在地、入口、駐車場などが分かるか
診療科名や専門用語だけでは伝わりにくい場合は、対応している相談内容を、実際の診療範囲に沿って説明します。対応できない内容まで広く見せたり、効果を保証する表現を加えたりする必要はありません。
原稿の確認には、厚生労働省が公開する医療広告のガイドラインやQ&Aを参照しましょう。[1] 患者の受診判断に役立つ情報を正確に伝えることを基本にします。
3.GoogleマップとHPの情報が一致しているか
患者がHPにアクセスする前に、地図上の情報で診療時間やアクセスを確認することも想定しておきましょう。
Googleビジネスプロフィールでは、Google検索やGoogleマップに表示する営業時間を設定・編集できます。[2] クリニックでは診療時間に相当する情報を確認し、HPとの不一致がないかを点検します。
確認したい項目は、医院名、住所、電話番号、診療時間、休診日の案内、HPのリンクなどです。入口が分かりにくい場合は、外観や道順の説明も検討します。
この作業は検索順位の向上を保証する施策ではなく、患者に正確な情報を届けるための整備です。担当者を決め、診療時間や連絡先が変わったときに更新できる運用を作りましょう。
4.予約方法がスマートフォンで分かりやすいか
内容に関心を持ってもらえても、予約先が分からなければ受診につながりにくくなります。
院長や制作担当者だけでなく、院内スタッフにもスマートフォンで確認してもらい、次の点を点検してみてください。
- 診療案内から予約方法へ移動できるか
- 予約ボタンのリンク先が正しく動くか
- 電話を使う場合、番号や受付時間が分かるか
- 初診・再診などの選択に迷わないか
- Web予約できない受診内容の案内があるか
- 予約後の持ち物や来院方法が伝わるか
Web予約を導入すれば全て解決するとは限りません。患者層、診療内容、急患の扱いに合わせて、電話や直接来院の案内も整理します。
入力項目や案内文を変更する際は、必要な情報を減らしすぎず、現場の受付業務に支障がないかも確認しましょう。
5.施策の評価を、予約・来院まで分けて行う
Googleビジネスプロフィールのパフォーマンスでは、プロフィールの閲覧、ウェブサイトへのクリック、通話ボタンのクリックなどを確認できます。ただし、利用できる指標はプロフィールによって異なり、通話の指標も実際の予約件数を表すものではありません。[3]
そのため、計測ツールの数値と院内で把握できる予約・来院の情報を分けて管理します。
例えば、月次で次の項目を確認すると、改善点を整理しやすくなります。
- HPや地図情報の閲覧・クリック状況
- 新規予約の件数
- 新規患者の来院数
- 来院のきっかけとして把握できた情報
- 実施した施策と費用、院内の作業時間
来院のきっかけを確認する場合は、患者の負担を増やさない方法を選び、必要以上の個人情報を収集しないようにします。複数の情報を見て受診する場合もあるため、施策ごとの効果を完全に切り分けられるとは限りません。
季節や診療日数などの条件も合わせて見て、同じ条件で比較できる範囲を明らかにしましょう。
改善は、患者が迷う箇所から小さく始める
全ての施策を同時に変えると、何が影響したのか分かりにくくなります。まずは、情報の不一致、切れた予約リンク、分かりにくいアクセス案内など、具体的に確認できた問題から着手します。
改善項目ごとに「何を変えるか」「誰が対応するか」「いつ確認するか」を決めてください。HP、地図情報、予約システムを別々の担当者が管理している場合は、変更内容を共有する窓口も必要です。
集患が伸びないときは、新しい広告やSNSに予算を追加する前に、今ある接点で患者が迷っていないかを確認することが、改善の出発点になります。
Alplanでは、クリニックのWeb制作・集患支援、業務改善の相談を受け付けています。「どこに課題があるかを整理したい」「HPや予約導線を見直したい」とお考えの方は、現在の運用状況をお聞かせください。確認すべき項目と支援範囲を一緒に整理します。
参考情報
確認日:2026年10月11日。
[1] 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
[2] Googleビジネスプロフィール ヘルプ「営業時間を編集する」
https://support.google.com/business/answer/15300403?hl=ja
[3] Googleビジネスプロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」
https://support.google.com/business/answer/9918094?hl=ja
